建物が古くなり固定資産税評価額も低下してきた。火災保険の金額は下げないとダメですか?

結論から申し上げますと、当ご質問の答えは”NO”です。固定資産税評価額と火災保険金額は比例関係にありません。

固定資産税評価額と火災保険の評価額(保険価格)は根本的に在り方が大きく異なります。固定資産税評価額は徴税額を決定する目的で建物を評価することを目的にしているため、ある意味、国のための基準と言えます。

しかし、火災保険の評価額はお客さまが保険事故によって被災した時に被災する前の生活へ戻っていただくことを目的としているために、一般的には新価(同じ構造・面積の建物、および建物に付随する設備や外構を取得するために必要な金額)を基に算出しております。

固定資産税評価額は様々な理由によって3年毎に評価替え(再評価)を行うと決まっておりますが、3年という期間は決して短期間とは言えず、その間に発生した価格変動によって所有者(納税者)の不利益になることを避けるために結果としては実勢価格や火災保険の評価額を大きく下回ることがあります。

つまり、徴税額を決めるために用意されている固定資産税評価額基準が火災保険の保険金額とイコールになってしまった場合、『建物が古くなって、固定資産税評価額での価値が100万円になったから、火災保険も100万円になる…』という保険のかけ方となり、先述した火災保険の本来の目的”お客さまが保険事故によって被災した時に被災する前の生活へ戻っていただくこと”を果たすことができなくなってしまうということです。

もちろん、皆さまがお察しのとおり火災保険金額(被災時に受け取れる限度額)が高額であれば高額であるほどお客さまが保険会社に納めていただく保険料の費用が高くなります。

保険料を抑えるために保険の補償内容や保険金額を調整することもご一考ください。

理想と致しましては評価額や実勢価格に対して100%の保険金額を設定することを推奨しておりますが、あくまでも推奨であり、当社の営業担当者はそれをお客さまに強要することはありません。

大切なご自宅や大切な社屋を対象にする火災保険は、それらのお建物と同様に大切にできるような保険でなければならず、お客さまのご要望をできる限り採択した設計である必要があります。当社営業担当者がお客さまのお手伝いをさせていただきます。

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